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2024.10.08
2024 年は、日本で「木彫り熊」が誕生してからちょうど 100 年目に当たる記念すべき年だという。
北海道の道南に位置する八雲町は、日本における「木彫り熊」の発祥地として知られている。
そんな八雲の地を代表する作家・柴崎重行氏の歴史的な作品を収めた作品集『PENKERU』の発売を記念したイベント、“PENKERU 木彫鑑賞会 @よよぎ3丁目”が、2024年10月12日(土)〜14日(月・祝)までの3日間で開催される。
今回のイベントでは、本来は八雲町でのみ販売される、作品集『PENKERU』が100冊限定で販売されるほか、柴崎重行氏の木彫り熊作品の非売展示、未公開カットも含めた写真展示が行われる。
また、八雲の木彫熊作家である小熊秀雄氏の作品も数量限定で販売される予定。
13日(日)、14日(月)の2日間は八雲町特産のホタテを使用したメニューも用意されている。
八雲の歴史と木彫り熊文化、そして柴崎重行という作家の奥深い世界に触れることができるイベントとなっている。
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【イベント概要】
木彫り熊生誕100周年 柴崎重行作品集『PENKERU』発売記念イベント
◆日程/
2024年10月12日(土)~14日(月・祝)
◆時間/
11:30~19:00
◆場所/
Vektor shop® Garage Gallery (東京都渋谷区代々木3-38-10 1F)
《八雲の木彫り熊について》
日本における木彫り熊の発祥地として知られているのは、北海道の道南に位置する八雲町。この地域では、尾張徳川家が深く関わり、スイスの木彫り熊の影響を受けた熊彫りの文化が、現在でも受け継がれています。ルーツであるスイスのスタイルを元にアレンジを加えた“毛彫り”に始まり、後にその毛を彫らずに面だけで熊を表現した八雲独自のスタイル“面彫り”が誕生します 。さらにそれをアレンジして“ハツリ彫り”というオリジナルの作風を確立させたのが、八雲を代表するレジェンド作家の柴崎重行です。
柴崎は単なる民芸品ではなく、アートとしての木彫り熊を追求し、人里離れた山林「ペンケル」で生活をし、木々に囲まれたアトリエで黙々と熊を彫り続けていました。彼の作品は、重厚な木の質感と繊細な彫り込みで、見る者に自然の生命力を感じさせるだけでなく、熊という動物の威厳と愛らしさを同時に表現しています。昨今では、彼が残した“抽象熊”を中心にアートとしての評価が高まり、国内外を問わず人気となっています 。
今回の作品集『PENKERU』は、そんな柴崎重行の歴史的な作品を収めた貴重な一冊で、八雲町民である千田健悦さんが長年にわたり蒐集してきた柴崎作品の集大成です。千田氏は柴崎の作品の深い理解者であり、1974 年に発足した「柴崎木彫鑑賞会」のメンバーとして、柴崎の作品を継続的に蒐集し、その価値を世に広めてきました。この作品集には、柴崎が長きにわたり磨き上げてきた彫刻の技術と、木彫り熊に込めた思いが凝縮されています。